様々な医療機関の中にあって心療内科のはたす役割とは

精神的な面で不安を抱えたときや、調子が良くなく仕事の能率が上がらないことがあるとき、心療内科を受診することは解決策のひとつです。そうは言っても病院の中には、精神科と心療内科に区別されているところがあります。これら心療内科と精神科の違いについて、不明という人も多いです。中には、ほぼ同様であろうとと思われる方もいらっしゃるでしょう。心療内科は精神を扱う科であると思われることが多いですが、実際には精神による影響が元となる身体症状や疾患を扱う科のことをいいます。

日本心身医学会は1991年に、心療内科が診療対象とする心身症について次のように定義しました。「身体疾患の中で、その発症や経過に心理的な原因が密接に関与し、器質的、ないし機能的障害が認められる病気をいう」。具体的には、精神的なものが影響することによる強い動悸や、腹痛・下痢などお腹の調子が悪くなること、高血圧などといった様々な症状が挙げられます。これらの症状について、それぞれの専門医(たとえば胃腸などの場合は内科)を受診をして検査を行っても、どこが悪いのか特定できなかった場合などに心療内科が診察を担当するとういうこととなります。
これに対し、精神疾患を扱う科が精神科です。具体的な症状は不安や不眠症、幻想や譫妄などです。このふたつの科は似ているように思えますが、診療範囲は異なります。しかし心身症については、身体と精神を別々に考えることは難しいです。
心療内科を受診している人の課題を克服するには、事実上の症状に対する直接的なケアとあわせて、症状を発症している根本である精神的な問題、さらにはバックボーンとしてその人が抱えている環境的な問題にまで踏み込んで診療を行わなければなりません。

この点においてメンタル内科は、統合医療を狙いとしているともいえます。自分の病状に対してどれが当てはまるかを判断していれば、どの科を受診すればよいかを考えなくてすみます。また受診の際、色々な問診に対してどんな感じで返答していけばよいかもわかります。